ターゲットの絞り方について|集客に困った時に見直すべき要素とは?
マーケティングを勉強していたり、ビジネスセミナーに参加していると「ターゲットを絞り込むことが大事」ということをよく聞くと思います。
最初はピンとこないかもしれませんが、実際これすごく大事なことなんですね。
特に個人事業主や小さな会社で集客を考える際には、これがしっかりしっかり出来ているのと出来ていないのとでは、成果に大きな差が出ます。
ただ、いざターゲットを絞り込もうとしても上手くできなかったり、実際絞り込んだら対象者がすごく減る気がして実践するのをためらってしまうといった人も少なくないのではないでしょうか?
ということで、今回はターゲットを絞ることをテーマに書いてみたいと思います。
ターゲットを絞り込むことは集客する上で非常に重要
誰でも事業を始めるとより多くの人に自社のサービスや商品の情報を届けたいと思うもの。
だから、ついついターゲット層を広げて考えてしまいがちです。
でも、皮肉なことに実はターゲットを広げるほど情報は届きにくくなります。
たとえば、あなたがピアノ教室を開いたとしましょう。
そこで、集客を考える時に「ピアノが好きな人」「音楽が好きな人」といった広い対象で考えていると、いろんな人が頭に浮かびます。
クラッシック好きなOLのSさん
音楽好きな幼稚園児のYちゃん
子供にピアノを弾かせることで優越感を感じたい専業主婦のTさん
軽音でバンドを組むようになったのでもう一度ちゃんとピアノを習いたい女子高生のKちゃん
園児たちにもっと多くの曲をうまく披露したい保母のHさん・・・など
こういった人たち全員に向けて広告を作ると全員に共通したもの(共通した特典)を探すようになります。
その結果、「体験入学無料、授業料30%OFF」や「飽きずに長続きするレッスン」といったありきたりな誘い文句に落ち着いてしまって、他のピアノ教室との違いも曖昧になってしまい、個性も差別化も表現出来なくなってしまいます。
要は、ターゲットが絞り切れないままに広告を出しても、それを見た相手が「ここでなきゃ(〇〇さんでないと)イヤ!」「ここが自分の夢(悩み)を叶えてくれるところかもしれない」といった強い欲求(理由)を思い浮かべることはないわけです。
当然、そうなると上手く集客につなげることはできません。
どんな先生かもわからない(自分と相性が合うかどうか)
下手くそで馬鹿にされるかも(傷つくかもしれない)
実際やってみたら思ったより面白くないかもしれない
応募者はいろんなことを考えているわけです。
だから、広告を見て、リスクを背負ったままピアノ教室に応募する(アクションを起こす)というのは結構高いハードルなわけなんですね。
そのハードルを越えてもらうには、それ相応の強い欲求が必要になってきます。
ターゲットを絞り込むと相手に明確に価値を伝えることができる
では、今度はターゲットを絞り込んで考えてみましょう。
先程のピアノ教室を例にしてターゲットを「駅に備え付けのピアノでカッコよく演奏したい人」と絞り込んでみます。
ここまで絞り込んでいるピアノ教室はあまりないかと思いますが、こうすると先程といろいろ違いがでてきます。
まず、「駅に備え付けのピアノでカッコよく演奏したい人」と「子供にピアノを習わせたい人」とでは全く響く言葉も違えば、関心ごとも悩みも違います。
自分をカッコよく見せて欲求を満たす人と子供を対象にして欲求を満たす人とでは当然違ってきますよね。
駅の備え付けピアノでカッコよく弾きたい人はバイエルとかは要りません。
レパートリーも数曲でOK。
練習もできるだけ簡潔で手っ取り早く習得できる方法を望みます。
自己に対する承認欲求も強いので多くの人に見てもらいたいと思っています。
ガチガチのクラッシックピアノの先生よりも頭の柔らかい先生を好みます。
(クラッシック曲をカッコよく弾きたい人は別ですが)
こういう人をターゲットにした場合、相手に伝えたいこと(メリットや価値)も明確になります。
すると、ホームページや広告でも伝える内容が変わってきます。
・全く初めての人でも大丈夫!お気に入りの1曲習得まで平均8レッスンで終了!(ピアノ歴なし〇〇さん(50歳男性)の例:「戦場のメリークリスマス」習得まで9レッスンで達成!)
・授業単位は基本10レッスン。習得の早い人は1曲習得した時点で終了します。続けて2曲目を習得したい場合は、再契約となります。
・楽譜だけでなく、動画で指づかいを解説した動画までお渡しするので、誰でもスマホだけあれば、いつでもどこでも練習が可能。
・もちろん教室に通えなくても、オンライン受講が可能!秘密にしておいて誰にも知られることなく上達できるためサプライズや隠し芸にも有効。お仕事をしている人でも遠くの方でも気軽にレッスンに参加できます。
・実際に目標達成時の演奏動画をもらえれば、ご希望により無料で当社ホームページやSNSで掲載して拡散します!カッコよく編集することも可能です。
さらに、ここに個性的な先生の紹介であったり、無料の体験レッスンを設置したり、オンラインでの編集サービスでプロミュージシャンのバンドと一緒に演奏できるようなサービスを作ったりすると、かなりターゲットに響くような表現が可能になってくるのではないでしょうか?
さらに、「戦場のメリークリスマス」を例に挙げたことから坂本龍一さんに憧れる方に絞れば、SNSで坂本龍一のコーデ紹介やイエローマジックオーケストラの裏話などを発信することで、共感や興味付けも強まるし、「教えてくれる先生も龍一のファン」となると会って話してみたくなるのが人情だと思います。
つまり、ターゲットを絞ることで相手に伝えたいことや適切なサービス、興味を惹くことが明確になり、それと同時に受け手の関心や価値の度合いも大きくなるわけです。
ターゲットを絞り込むことで相手に強い欲求を産むことができる
さらに、明確に価値が伝わると相手の頭の中ではイメージが膨れ上がります。
自分が駅のピアノでカッコよく演奏して、周りから羨望の眼差しを向けられているイメージです。
そして、イメージはより欲求を強化していくんですね。
人間、イメージできることは基本的に実現可能なことだと無意識にわかっています。
ちょっと努力すれば夢が叶う・・・そして、その方法がわかると動きたくなるものです。
だから、イメージできているとアクションも起こしやすくなります。
ただ、当然初めてのことには不安要素もあるでしょうから、そういった解消法として無料レッスンなどを用意しておいてステップアップしやすくしておくのも大事だと思います。
どうですか?
ここまでターゲットを絞り込んで表現していくと、相手は「ここでなきゃダメだ!」「ここが夢を叶えてくれるところに違いない」と自分ごとに捉えてくれるのがわかっていただけたんじゃないかと思います。
ターゲットを絞り込むことで起こる予想外のメリット
また、ターゲットを絞り込むことで思わぬメリットも出てきます。
まず、ターゲットを絞り込むと価値が明確になり、それが独自化・差別化されると価格設定が上げやすくなります。
他に興味を惹く教室や自分の夢を叶えてくれそうな教室がないとなると他より価格が高くなっても仕方ない(納得してしまう)わけですね。
さらに、ターゲットでない人にも価値が伝わりやすくなります。
これは意外かもしれませんが、実践してみるとそうなります。
実際、僕の会社の店頭販売スタッフの派遣事業では、「こだわりの食品販売専門」とホームページで謳っていましたが、化粧品や日用品のメーカーからも依頼が来ていました。
これは「こだわりの食品を扱っているなら説明が上手いだろう」「値段の高い食品を売っている会社なら化粧品も大丈夫だろう」と勝手に相手が都合よくイメージしてくれた結果起こっている現象です。
先程の例で言うと、駅のピアノをカッコよく弾いている人を見かけて、「うちの娘もあんなところで目立って欲しい」と勝手に思った親が意外と問い合わせしてきたりすることもあるということなんですね。
これもターゲットを絞って表現した結果、相手に明確なイメージを持たせることができるからこそ起こる現象だと言えます。
どうですか?
ざっと書いてみましたが、ターゲットを絞った方が相手に価値が伝わりやすくなるため、集客に効果的だということがわかっていただけたんじゃないかと思います。
世の中にこれだけ同業者が氾濫していて、人々の生き方も趣向も表現も多種にわたってきている現在。
小さな会社が全てを統括するには無理あります。
求められているのはその道の専門家。
そして、今はさらにその専門カテゴリーの中での特化です。
現在、起業して思うように集客できていないという方は、ぜひ参考に一度思い切ってターゲットをグッと絞り込んでみてください。
そうすれば、思わぬ結果が手に入りますよ。
何たって、ビジネスの本質は相手の悩みの解決や夢の実現ですからね。
そこは忘れずに^^
ということで、今回はターゲットを絞るというテーマで書いてみました。
ピンときた方はすぐに実践してみてくださいね。
さあ、楽しみながらどんどんチャレンジしていきましょう!